松本清張『ガラスの城』
読了日2014/02/16。
一流企業で起きた殺人事件を、女性社員二人の手記という体裁で描いた叙述トリックの傑作。「しょせん、女子社員は男子社員の事務補助にすぎない」「女子社員はつねに傍観者」と再三強調されるため、読者は社内の人間関係から外れた彼女達の観察だから、信頼できるだろうと思い込まされる。しかし後半ではそれが見事に覆される。実は「傍観者」でしかいられなかった人物の悲しい願望が、事件の成立に関わっていた。その意味で、弱者の情念をテーマとした清張作品らしいといえる。
読了日2014/02/16。
一流企業で起きた殺人事件を、女性社員二人の手記という体裁で描いた叙述トリックの傑作。「しょせん、女子社員は男子社員の事務補助にすぎない」「女子社員はつねに傍観者」と再三強調されるため、読者は社内の人間関係から外れた彼女達の観察だから、信頼できるだろうと思い込まされる。しかし後半ではそれが見事に覆される。実は「傍観者」でしかいられなかった人物の悲しい願望が、事件の成立に関わっていた。その意味で、弱者の情念をテーマとした清張作品らしいといえる。