2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

断続的な自己

宇野邦一『反歴史論』は、第1章「反歴史との対話」で小林秀雄、レヴィ・ストロース、柳田国男などの客観的歴史に疑義を呈した人々の系譜を取り上げている。さらに第2章「無意識・映画・存在論」、第3章「歴史のカタストロフ」ではハイデガー、バタイユ、…

戦争と認識されなかった戦争が「泥沼化」を招いた

満州事変から日中戦争に至る経緯を調べていて、下記の記述にぶつかった。文中の橋川とは橋川文三のことだ。 多くの日本人にとっての戦争とは、あくまで故国から遠く離れた場所で起こる事件と認識されていた(中略)橋川はいう。考えてみれば、三七年七月に勃…

国民の「生命」を守るという大義名分を掲げない侵略や戦争があるだろうか

加藤前掲書によれば、満蒙について「国民的生存」のため必要であるとする議論は、1929年の世界恐慌で現実味を帯びるようになった。前満鉄副総裁・松岡洋右が「満蒙は我国の生命線である」と主張したのは1931年である。 それに先立つ1914年、中国学者の内藤湖…

句会記録

季題は「かたつむり」。 でで虫やFausut(ファウスト)のまだ一行目 夜語りに祖母の隠した梅酒かな