地方と前衛――展覧会あれこれ

うらわ美術館「日本・オブジェ 1920−70年代 断章」
埼玉県さいたま市浦和区仲町2−5−1
048-827-3215
【会期】2012年11月17日(土)〜2013年1月20日(日)
【会場】ギャラリーA・B・C
【リンク】http://www.uam.urawa.saitama.jp/tenran.htm
【企画主旨】

  オブジェは、20世紀の初頭にダダイズムシュルレアリスムの運動とともに、それまでの美術を変革するような前衛的な作品の一つとして登場しました。
  以来、オブジェはさまざまに展開、拡張し、前衛的なジャンルばかりでなく、広く造形芸術の領域に存在する作品となりました。
それだけでなくオブジェという言葉は、現在では身近な商品名や一般的な用語としても広く使われ、日常的な言葉として定着しています。
  しかし一方で、そのようにオブジェが広く流通すればするほど、当然ですが、オブジェは当初の美術史的な意義が忘れ去られて、本来の意味から遠ざかってゆくことになります。 
  本展は、そのように私たちの美術の中にすでに当たり前のものとしてあるオブジェに、改めて焦点を当てようとするものです。
  日本でのオブジェの登場と、それが美術とその周辺のさなざまな分野へと拡張してゆく様子を主に1920年代から70年代を通して紹介します。
  その際、前衛的な美術の動向を基軸にしながらも、写真、工芸、いけばな、書、詩など、より横断的なジャンルから、出来るだけ多様に紹介したいと思います。それによってオブジェという作品に改めて光を当て、その魅力と意義を探ってみたいと思います。


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・「福岡現代美術クロニクル 1970-2000」
  福岡県立美術館福岡市美術館の共同企画。
【会場】福岡市美術館 特別展示室A/福岡県立美術館 1階および3階展示室
【会期】2013年1月5日〜2月11日
【リンク】
福岡市美術館
http://fpmahs1.fpart-unet.ocn.ne.jp/cont_j/topics/topics_det1_6.php?TOPICS_ID=321
【企画主旨】

  1950年代から60年代にかけての福岡では、前衛美術集団「九州派」が活動したことが知られています。しかし、70年代になって次世代の作家たちが新たな活動を模索し始めたことで、福岡の美術状況が40年後の現在につながる重要な段階に入っていったことは見落とされがちです。本展では、「九州派」以後の停滞した美術状況を打破すべく活動を開始した70年代に活動を始めた作家から、現代につながる新たな動向を代表する作家まで、85作家の作品約130点を展観します。
  この30年間の福岡現代美術は、地方都市である福岡に、美術の「状況」を作るべく、福岡の作家同士、あるいは他都市(他国)の作家と福岡の作家が、「交流」しあってきた結果ということができます。 それゆえ福岡で活躍した作家の代表作を出品するだけでなく、彼らに大きな 影響を与えたと思われる他地域の作家の作品も加え、さらに実験映画の上映など、多角的な構成や展示を試みます。
   本展は福岡県立美術館福岡市美術館が企画段階から連携し、2館同時開催を行う初の共同企画展です。福岡市内の比較的近い距離に位置し、異なる歴史やコレクションを持つ2つの公立美術館が、それぞれの長年にわたる研究成果を持ち寄り共同作業を行うことは、福岡のアートシーンにおいて画期的なことです。
  福岡を拠点とし、福岡で発表した美術家たちの表現の変遷をたどり直すことで、福岡県内における現代美術の系譜を美術史的な文脈で再検証します。

・熊本(過去イベント)
  坂本善三と、彼が中心になって結成した前衛画家グループ「四元会」についての展覧会と講演会が、一昨年開催されたらしい。
展覧会/熊本における戦後美術運動の実像に迫る|AKASAKI海想日誌
講演会/戦後熊本の前衛美術|AKASAKI海想日誌