季題は「蝶」。自分で言い出したのにめちゃくちゃ難儀した。
蝶の昼娘転(まろ)びて残像す
→「まろぶ」という優しい表現は合っているが、「残像す」は少し硬いのではという意見。多分「残像」が使いたかったんでしょうね。ていうか、困ったら娘ネタに走りすぎ。
靴ずれが痛まずなりぬ目借時
→「痛まずなりぬ」がモタモタ感。「靴ずれもいえてかわずの目借時」ぐらいではどうか。
新刊書のインク香れば春炬燵
→読書ネタも多いですね。
菜種梅雨母子(おやこ)で囲むカツカレー
→「侘びしい幸せ」みたいなのを表現したくて作りました。
蘖(ひこばえ)とリンパ節凝る重たさや
→「ひこばえ」という言葉を知ったのは、日影丈吉の同名の短編から。それ以来、植物が芽ぐむ姿に、わずかな禍々しさを感じるようになった。「と」の使い方に疑問の声が。