句会第七回

  季題は「虹」。空梅雨が終わって水不足の心配はなくなったが、日々雨は少しうんざりだ(勝手なもん)。
    親虹の閉じきらぬ弧を指で描く
  →「親虹」は造語で、二重虹の外側の虹を、親に見立てました。場合によっては綺麗な二重のアーチを描くこともあるようですが、私が見たのは大概足元だけ。だから指でなぞって、大きな虹の懐に、小さな虹が抱かれているようにしたい、という心境を述べました。
    箸とめて耳すましゐる夏料理
  →作者は、食べかけの箸をふっと止めて、窓の外の音(雨の降りはじめ?遠くの花火?)に耳をすますという場面を想定したのですが、解釈では、句中の「夏料理」に耳をすます対象だと取れる、ということでした。
    昼寝から醒めて我が身を見失う
  →寝起きの違和感、自分がまとまりがつかない感じは分かるが、「見失う」では簡単に言い切りすぎ。もっとその違和感を表現しなければ、とのこと。
    滴りが野仏の裾青に染む
  →「〜が…する」と言い切ってしまうと、説明的になってしまう。主語述語のつながりを、むしろ外した方が、余韻を持った表現になるのでは、ということでした。
    なにやらをつづるつれづれなめくぢら
  →今回一番好評だった句。徒然草は意識していませんでした。最近よく見かけるので詠んだのですが、最も嫌いな生き物なので、複雑な気がします。

俳句実践講義 (岩波現代文庫)

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