俳句

『池田澄子句集』

日常に使う口語で俳句を作るのは、文語より難しいと前エントリーで取り上げた千野帽子の著書にあった。その著者が、「私を俳句の世界にかっさらった句」と述べるのが、池田澄子の次の句。 じゃんけんで負けて蛍に生まれたの 文字通り、蛍の述懐というフィク…

千野帽子『俳句いきなり入門』――自己愛から解放されるための俳句

俳句いきなり入門 (NHK出版新書)作者: 千野帽子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/07/06メディア: 新書購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (11件) を見る 著者・千野帽子は俳人ではなく文筆家。「ガーリッシュ」三部作で記憶していたので、「…

句会第三回

季題は「春」。自分で出した題にも関わらず今回は低調。せっかく句会で色々講評いただいたので、併せて記録してみる。 爪先に 春菜のかおり 新しき おたまじゃくし やさしさをもてあます →上五と後の繋がりが悪いという指摘。「蝌蚪」に改めては、という案も…

句会第二回

年が明けて、句会の第二回目。 季題「初」 初すがた あれもむじなか 宵の坂 初湯浸り 湯気に娘の 寝入りけり 元日に 寝そべる妻の 白髪抜く かじかんだ 指を励まし 記帳する俳句のための文語文法入門作者: 佐藤郁良出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 201…

句会してみました

人に誘われて、始めて句会なるものに参加してきました。 季題「寒さ」 午前六時 寒夜ひそめる 腕時計 さよならと マスク笑いて 夕惑い 手袋で ページをめくる もどかしさ 窓寒し 頬杖つけば 天使が通る 薄ら日に いのちをつなぐ つぼみかな今はじめる人のた…