小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』

 読了日2023/05/21。
 “人形”と“幽霊屋敷”という二大テーマを複雑に融合させ、当初はポルターガイスト現象と思われた怪異が、掘り起こすに連れて思わぬ因縁を露わにする。第2巻に入り探偵役のナル、荒事担当のぼーさん、人情家の綾子、和ませ役のジョン、切り札的な真砂子など、キャラの役割分担も明確化。特に霊を単なる残留思念として「除霊」の対象と考えるナルと、感情を備えた存在としてコミュニケーションを介した「浄霊」に拘る真砂子との対比が興味深い。ナルにぞっこんな彼女だが、この路線対立は今後大きくなっていくのか。朝宮運河氏の解説もよい。