東郷隆『名探偵クマグスの冒険』

 読了日2013/03/20。

 知の巨人・熊楠は突出したキャラクター性もありミステリにはうってつけの人物だ。他には古山寛原作・ほんまりうの漫画『漱石事件簿』が同じ英国留学時代を扱っていた。本書では亡命者や犯罪組織の跋扈するロンドンと、神話伝説の生きるケルト地方とを股にかけた彼の活躍が描かれるが、そこから当時の大英帝国の姿が見えてくるのも面白い。