朧谷寿『NHKさかのぼり日本史(9)平安 藤原氏はなぜ権力を持ち続けたのか』

 読了日2013/02/13。
 本年は大河ドラマ『光る君へ』効果で、平安時代関連の書籍が多く出るのではないか。本書はかなり以前のものだが、つかみ所のない平安政治史を概観できる。

 清和天皇の外祖父となった良房は摂政になり、その養子基経は阿衡の紛議で関白の権限を強め、時平~実頼は他氏排斥を進め、道長は北家内の並み居るライバルを押しのけて頂点に立つ。三代先まで外戚戦略を進めたのは、彼の病弱が関係しているという指摘は興味深かった。保元の乱の要因を作った忠実が、乱後、有職故実を伝える家として摂関家の延命を図ったというのも新鮮で面白かった。