熊本ライフ
季題は「晩夏」。 じゃんけんのグーを忘れてきた晩夏 見下ろす我をかまきりがおどかしてをる 冷蔵庫のじゃがいも芽吹く残暑かな 長き夜にページの尖りゆく倦怠 花火玉落ちたしじまを息つめる
季題は「ゼリー」。 ゼリーに陽を封じて飛行船見に行く おぼつかぬ手で願い書く星祭 角毎に子らたわむるる地蔵盆 河童忌に洗う穂先の水黒き 孕み妻の腹に掌翳す原爆忌
季題は「虹」。空梅雨が終わって水不足の心配はなくなったが、日々雨は少しうんざりだ(勝手なもん)。 親虹の閉じきらぬ弧を指で描く →「親虹」は造語で、二重虹の外側の虹を、親に見立てました。場合によっては綺麗な二重のアーチを描くこともあるようです…
遅ればせながら5月の句会の記録である。季題は「初夏」。 ガラス越しに初夏をためらう微炭酸 →上五の位置関係があいまい。はじけそうではじけない雰囲気は出ているので、最初を工夫しては、とのこと。 日焼子を抱けば潮の香微かなり。 バス停で素足伸ばせば…
いつも句会でお世話になっているお店で、ブックフェスティバルのチラシをもらってきた。称して、「本熊本」(bon kuma hon)!! イエローを基調にしたチラシでは、マスコットキャラのホンちゃんとぼんくまが、木の下でくつろぐイラストがあしらわれている。全…
季題は「蝶」。自分で言い出したのにめちゃくちゃ難儀した。 蝶の昼娘転(まろ)びて残像す →「まろぶ」という優しい表現は合っているが、「残像す」は少し硬いのではという意見。多分「残像」が使いたかったんでしょうね。ていうか、困ったら娘ネタに走りす…
県立図書館で昭和30年頃の熊本日日新聞をマイクロフィルムで見ていたら、原紙が破れていたり夕刊が欠けているところがあったので、レファレンス係に尋ねると、熊日が独自にデータベース化しているので、もしかしたらそちらでちゃんとした紙面を見ることがで…
季題は「桜」。オーソドックスだけど、いざ作るとなると難しい。 入園日爺は桜も連れ帰る →助詞「も」が効いているとの評。 図書館の余熱冷まして白木蓮 →本好きらしい句とのこと。県立図書館前の風景ですね。 啄木忌隣で家を売る電話 →「○○忌」という季語は…
「かね屋」はしばしばアートスペースとして貸し出されているらしく、昨日通りかかったらたまたま写真展をしていた。 ダンサー白木聖子さんとフォトグラファー児島由季子さんのコラボレーション。タイトルの「淋漓」とは「血や汗がしたたる様」であり、展覧会…
熊本八雲会主催の「ラフカディオ・ハーン顕彰作品コンクール」表彰式が熊本大学構内の五高記念館で行われた。知人が受賞したので参加する。五高記念館も初めてなので見学してきた。 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)顕彰 作品コンクール | 八雲会 | The Hea…
季題は「春」。自分で出した題にも関わらず今回は低調。せっかく句会で色々講評いただいたので、併せて記録してみる。 爪先に 春菜のかおり 新しき おたまじゃくし やさしさをもてあます →上五と後の繋がりが悪いという指摘。「蝌蚪」に改めては、という案も…
熊本県立図書館では、郷土熊本に関する出版物及び熊本県内に在住又は県出身者の著作物を収集・保存しています。 出版文化の隆盛は、地域文化のバロメーターの一つと言われており、このたび、平成24年中に刊行された郷土関係出版物展を開催します。(県庁HP…
昨日に引き続き、今日も県立図書館へ行く。べ、べつにリサイクル本がめあてなんかじゃないんだからね!! ……とかいいつつも、長谷川四郎『長谷川四郎の自由時間』(土曜美術社)・松本鶴雄『井伏鱒二論』(冬樹社)・又吉栄喜『陸蟹たちの行進』(新潮社)・古…
県立図書館へ本の返却と資料調査に行った。このブログで何度か触れた『日本談義』の現物を閲覧するためである。 文化総合雑誌『日本談義』は、地方文化振興を目的として1938年5月創刊された。編集発行人は荒木精之である。1945年6月まで刊行され、敗戦を挟ん…
年が明けて、句会の第二回目。 季題「初」 初すがた あれもむじなか 宵の坂 初湯浸り 湯気に娘の 寝入りけり 元日に 寝そべる妻の 白髪抜く かじかんだ 指を励まし 記帳する俳句のための文語文法入門作者: 佐藤郁良出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 201…
【会期】2012年10月20日(土)〜2013年2月11日(月・祝) 【会場】北九州市立文学館1階企画展示室 【リンク】http://www.kitakyushucity-bungakukan.jp/sub-tokubetu/tokubetu-index.html 【主旨】 北九州地域のさまざまな職場からは雑誌が刊行され、そこには文…
NPO法人くまもと文化振興会という所から、総合文化雑誌『KUMAMOTO』創刊号(2012・12)が発行されていたのを、上通りTSUTAYAで見つけたので興味深く思い、早速買ってきた。 巻頭言「創刊に際して」によれば、荒木精之の発刊していた『日本談義』の後継を志す…
人に誘われて、始めて句会なるものに参加してきました。 季題「寒さ」 午前六時 寒夜ひそめる 腕時計 さよならと マスク笑いて 夕惑い 手袋で ページをめくる もどかしさ 窓寒し 頬杖つけば 天使が通る 薄ら日に いのちをつなぐ つぼみかな今はじめる人のた…
熊本県立大学文学部主催で興味深いイベントがある。 【日時】平成24年12月8日(土) 午後1時30分〜午後4時00分 【会場】熊本県立大学 中ホール 【内容】パネルディスカッション 〈コーディネーター〉半藤英明(熊本県立大学副学長) 〈パネリスト〉 石原千秋…
熊本文学隊主催の催しがある。こんな愉快な「ひみつけっしゃ」が密かに活動してたとは知りませんでした。 「第4回 『赤い蝋燭と人魚』を読む 人間は変わり、信仰も変わる」 【日時】12月1日(土) 18:30開場 19:00開演 【会場】orange/橙書店 【講師】難…
【日時】11月17日(土) 午後1時〜午後4時30分 【会場】熊本市総合体育館・青年会館 (入場無料) 【内容】当日投句、講演会、俳句の部・俳画の部の表彰、講評・質疑など 講演「短詩型の魅力 −人生と表現−」伊藤一彦(歌人、若山牧水記念文学館館長) 大…
ラフカディオ・ハーンの五高での講義ノートが発見され、それに関連する催しがある。鶴屋南側の小泉八雲旧邸は、熊本に来た最初の頃に行ったなあ。 【日時】2012年11月17日(土) 13:00〜16:30 【会場】桜の馬場城彩苑多目的交流室(ホール) 【内容】 ・講演「ハ…
東京演劇集団風によって上演された「Touch 〜孤独から愛へ」(原題 Orphans 孤児たち)を見る。舞台は北フィラデルフィアの荒れ果てた住宅の一室。両親を失った孤児の兄弟、トリートとフィリップが暮らしている。兄のトリートは盗みや恐喝で生計を立てており…
西日本新聞で2006〜2008年に「千年書房・九州の100冊」という興味深い企画を行っていたらしい。 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/book/kyushu100/2008/06/post_111.shtml 熊本ゆかりの著作で挙がっていたのは、以下の10冊。 ・安永蕗子「青湖」 ・徳富蘇峰…
先日、夢マート前を通っていたら、いつも閉まっている「かね屋」が開いていて、何かやっていた。置いてあったチラシを見ると、近々お芝居の公演があるらしい。(会場は「かね屋」ではなかった。) 【日時】 ・2012年11月23日(金)18:00開演 ・24日(土)13:…
熊本市現代美術館開館十周年記念イベントとして、下記の展示が開催中。 熊本市現代美術館|熊本市現代美術館 開館10周年記念展 生きる場所 ボーダーレスの空へ Sky over My Head 【会期】2012年9月29日(土)〜12月9日(日) 【出展者】栗林隆、塩田千春、照…
平日行けなかった鶴屋の即売会にようやく行ってきた。熊本関連の郷土書が充実していたのはもちろんだが、それ以外にもいろいろ掘り出し物があった。 本日の収穫 ・中野重治『鷗外 その側面』(ちくま学芸文庫) ・有吉佐和子『海暗』(角川文庫) ・堀田善衛…
市内西部の新町・古町で、町屋を舞台にした演劇「密会 〜河上彦斎〜」が上演される。以下は主催されている「特定非営利活動団体アートスイッチ」のブログ。 熊本城下町大遊戯 2012: 櫻井栄一 Sakurai Eiichi 佐久間象山を暗殺した男として、「幕末三大人…
第43回古書籍即売展が開催される。 【日時】9月26(水)〜10月2日(火) 【会場】鶴屋百貨店 東館6F シーズンメッセージ 【参加店】舒文堂河島書店(熊本市中央区)・天野屋書店(熊本市中央区)・ほると書房(玉名市)・魁孔舎(熊本市西区)・グエル書房(…